IVS異体字の現状
IVS異体字はWindows 8で入力できるようになったばかりの機能であり、現時点では次のような問題があります。
現時点ではIVS異体字に対応しているものが少ない
Windows 8からIMEの変換候補としてIVS異体字が表示されるようになりました。(ただし、変換候補に表示するためにはWindows 8の設定変更が必要です。) OSがようやく対応したような状況であるため、現時点でIVS異体字に対応したアプリケーション・フォントは少ししかありません。 また、IVS異体字に対応しているWindows 8の「МS 明朝」であってもAdobe-Japan1の一部の文字しか含んでいません。
IVS異体字のリストが統一されていない
Unicodeを管理しているユニコードコンソーシアムに登録されている日本語を含むIVS異体字のリストは次の2つがあります。 この2つには互換性がないため、使用するフォントがAdobe-Japan1 かそれともHanyo-DenshiのIVSコレクションか知った上で使う必要があります。
- Adobe-Japan1
- Adobe社のAdobe-Japan1に収録された字形のコレクションです。DTP分野で標準的な規格となっています。
- Adobeの「小塚明朝・ゴシック」、IPAの「IPAex 明朝・ゴシック」、リコーの「МS 明朝・ゴシック」などが対応しています。
- Hanyo-Denshi(汎用電子)
- 日本の住基ネット・戸籍システム・登記システム等での利用を想定した特殊なコレクションです。
- IPAの「IPAmj明朝」が対応しています。(IPAの「IPAex 明朝・ゴシック」はAdobe-Japan1です。)
IVS異体字の今後
日本政府の文字情報基盤整備事業がUnicodeコンソーシアムにIVS異体字のリストを登録したり、 MicrosoftもWindows 8で対応・Office 2007以降向けIVS異体字アドインリリースするなどIVS異体字対応が加速しています。 今後更にIVS異体字の普及が進めば、IVS異体字が一般化し記載した問題は気にする必要がなくなるでしょう。